磁性半導体クロム-ゲルマニウム-テルル化合物(CGT: Cr2Ge2Te6)の二次元薄膜には、磁気異方性がもともと備わっており、このため実際に強磁性を検出することができたと考えられている。
http://news.mynavi.jp/news/2017/05/02/095/
Cr2Ge2Te6というのは磁性体としては有名とは思えないが、二次元材料の一つとして興味深い。
今後、磁性材料もグラフェンのように二次元薄膜化していくと思われる。
その際の材料探索には、クロムを含む材料がキーになるのだろうか??
層状材料には、チタン、タンタルという層状を取りやすい元素が有力だ。
それに、ビスマスを含む層状構造化合物では、トポロジカル絶縁性が見つかるなどのホットな分野だ。
今回の米国立バークレー研究所は、クロム-ゲルマニウム-テルル化合物の二次元薄膜が強磁性を有することを発見したという発表は、
剥離法で実験室レベルで0.3テスラ以下の小さな磁性をカー効果によって確認している。
今後は、結晶を超音波で剥離できるような材料・製法を見つけて、
結晶を溶液中で超音波によって二次元材料に調整してから、
塗布液によって大面積に塗布していく製法が考えられる。
今回のバークレー研究所の指摘のように二次元材料は、二次元材料同士の接着が可能で、
その効果によって特性が変化することが予想される。
Cr2Ge2Te6というのは磁性体も、上下に貼り付ける二次元材料に工夫があれば、磁性特性が向上するかもしれない。まずは、シリコンとグラフェンを試してみたいね。
グリース系材料、モリブデンなども二次元材料として有力だ。
材料探索はこれからどんどん加速して行くだろう。
磁気-電気、磁気-光学的応用が可能な人工的構造を設計できるだろうと指摘しているとおり、新しい発想でデバイス化できる薄膜を作成して欲しい。