光を使う通信技術が進化するのは分かる。光で計算する高集積コンピュータが出来るのならば消費を抑えられる可能性は原理的にはあると思う。
ただ、光トランジスタが高集積できるようには思えない。電気回路を高集積できたのはシリコン結晶と金属というありふれた素材をトコトンまで微細加工できたからだ。電気トランジスタも電気キャパシタのどちらも微細に原理的にも素材的にも簡単だから微細加工できた。
一方、光トランジスタは素材的に難しい複雑な結晶だ。その複雑な結晶を微細に作る技術はしばらくは無理だ。
光キャパシタは実現の見込みすら分からない。電気キャパシタと光トランジスタという光と電気を組み合わせるようなコンピュータなら、余計に複雑になる。どこまで消費電力を下げる効果が望めるか未知数だ。
電気コンピュータ同士を光回路で繋ぐぐらいまでは実現できる。その技術が実現しても消費電力は下がらない。
コンピュータの中の電力を消費する部分の構造や素材を工夫変更して対応するほうが実現しやすい。
NTTが光技術を活かしたいのは分かる。ただ、出来ることと出来ないことの物理的な限界は変わらない。
人工知能データセンターが膨大なエネルギー消費をする情報インフラになる未来はもうすぐだ。
人工知能データセンターに最適な発電方法を考案してデータセンターに併設する事が面白い。計算する時の発熱を使う発電もあり得る。
発電もする電気回路も面白い。
低密度での高集積化が目標になる。スカスカな立体の中に縦横無尽に広がるコンピュータ回路だ。
電気回路は小さくすると発熱して電力消費が大きくなる。光回路は小さくすると消費電力が小さくなるはずだ。
現状では光回路は大き過ぎる。