アルミ箔電池DIYの構想 これまで遊びで作ってみた電池からの知見

アルミニウム空気二次電池を作る。

アルミニウムと塩水を含む備長炭の間には電位が生まれる。アルミニウムが酸化して溶けて電子を出す負極になる。溶けたアルミニウムは酸化物として炭との界面に蓄積するようだ。またアルミ箔は小さな穴がいくつも空いてボロボロになる。このため、電池として働く時間は短い。電圧は0.6ボルトほどだ。


備長炭から集電する側の正極にステンレスメッシュを用いると、炭とステンレスの間に0.2Vほどの起電力が生まれる。炭がマイナスとなってステンレスメッシュが正極だ。ステンレスが酸素を取り入れて受け渡す側の電極で、炭が酸素を受け取って酸化される側になる。


炭はアルミニウム界面とステンレスメッシュとの界面で異なる働きをしているように見える。炭は墨汁、塩水を寒天で固めたものとほぼ同じ働きをする。またスポンジに鉄塩や食塩水を付けて寒天で固めたものとも似た働きをする。


アルミニウムイオン電池は多価イオン電池の一つと言われ、リチウムイオンのようなアルカリ金属のイオンより価数が多く、エネルギー密度を上げられるとされる。

アルミニウム電池の電解液は腐食性が高い。金をも腐食するような電解液だ。金めっきの上にアルミ箔で挟み込んだキムチを置く電池は、アルミ箔が溶けるとともに金めっきも腐食してしまう。銅とアルミで挟み込んだ電池では銅側が緑青となって腐食する。


化学的な腐食だけでなく電気化学的な局所電池の働きでアルミや他の金属が酸化していく。

電池自作の問題点はたくさんあって全部を一人では解決できない。特別な材料が用意できるわけじゃない。なにか自分のオリジナルの着眼点や材料素材がないと他の電池研究にはまったく追いつけない。


電池は小さく薄い電池を作ることが目標にされてきた。軽くて高密度な電池だ。アルミニウム電池が目指すのは安くて大容量な電池だ。薄さはキャパシタには有利だが、電池には必ずしも必要ない。一方で厚い電池は使われない活物質が邪魔になる可能性がある。厚い電池でも反応に使われる活物質は界面に接しているわずかな部分のようだ。


アルミ、炭、ステンレスを使う電池で0.8Vの電池はできる。その充電放電が繰り返し大容量でできれば成功だ。まずは、きれいな電池をつくってみて、充電してみる。その充電放電の特性を評価するのと、電池にどんな変化が現れるのかを観察する。


リチウムイオン電池ではリン酸鉄リチウムが正極になって、黒鉛が負極になる。このリン酸鉄リチウムがリチウムイオンを取り込み、黒鉛からリチウムイオン脱離する酸化還元反応が放電に使われる。

アルミ箔負極、黒鉛、リン酸鉄正極の順並べる電池なら安くて高性能が望めそうだ。

アルミ箔がボロボロにならないような工夫としては、二次電池の最初の充電でアルミ箔の上にめっきをすることだ。鉄リンをめっきする。正極のリン酸鉄と負極の鉄リンの比較で、酸素の多い正極側と、還元された負極側というように鉄とリンの化学状態が異なっていれば、その間に電位差ができそうだ。


すこしずつアルミ電池の概要が固まってきている。アルミより亜鉛を使うほうが安定だと思う。そちらもアプローチしたい。




また