「生命には、まだ見つかっていない共通の数式があるのではないか?」
昔から科学には、別々に見えていた現象を「実は同じ数学で表せるのでは?」と考える人がいました。
天体と地上の運動を結びつけた力学。
電気と磁気を結びつけた電磁気学。
熱や振動、信号を共通の周波数表現で扱うフーリエ解析。
つまり科学は何度も、
「違って見えるものを、共通の数学に写像する」
ことで進んできました。
そこで、生命についても同じことができないか、と考えています。
私が考えているのは、仮に名前をつけるなら
**「物理化学生命のメタモデル」**です。
生命を一つの巨大な方程式に押し込むのではありません。
分子、細胞、組織、臓器、神経、脳、行動、そして社会環境。
それぞれの階層には、それぞれ固有の
[
\tau;(緩和時間), \quad
\omega;(周波数), \quad
\phi;(位相)
]
があると考え、それらを複素応答・周波数応答という共通の数学的な言葉で眺めてみる。
電気化学交流インピーダンスでは、
[
Z(\omega)=Z'(\omega)+iZ''(\omega)
]
のように、周波数を変えながら系の応答、位相、蓄積、散逸などを調べます。
私自身は、この考えにつながる電気化学的な界面応答の方程式を作っており、電気化学交流インピーダンスから宇宙物理までの現象について検証してきました。
生命については、まだ別の問題があります。
生命は単純な受動回路ではなく、エネルギーを使い、自ら状態を変え、修復し、適応する非線形・能動的なシステムです。
そこで、分子構造の振動や緩和を最下層の近似として置き、その上に細胞、組織、臓器、神経系などの階層を重ねていく。
さらに重要なのがフィードバックです。
脳は身体の状態を受け取り、行動や自律神経などを通じて身体へ働きかける。
では、そのフィードバックを、本人の脳だけでなく、
他者・会話・食事・社会環境からの入力によってアシストできないか?
という発想です。
たとえば、
「1日1回、誰かとコーヒーを飲む」
という行為そのものが魔法のように寿命を延ばす、という話ではありません。
本当に考えたいのは、
[
\text{他者との接触}
\rightarrow
\text{外部入力}
\rightarrow
\text{脳・自律神経}
\rightarrow
\text{生体状態の調整}
\rightarrow
\text{長期的な適応・修復}
]
という、社会を含めた生体フィードバック系です。
これはまだ仮説です。
「会話をすれば細胞の位相が整う」といったことが証明されているわけではありません。
だからこそ、面白い。
もし異なる生命現象の背後に共通する数学的構造があるなら、
[
\text{仮説}
\rightarrow
\text{数学化}
\rightarrow
\text{データ}
\rightarrow
\text{実験}
\rightarrow
\text{反証・修正}
\rightarrow
\text{再現}
]
という過程を通って、本当に残る式だけが残ればいい。
そして、ここでAIが役に立つ可能性があります。
生化学、物理学、生体電気、神経科学、老化研究、社会科学。
専門分野ごとに言葉は違います。
でも、それぞれの研究を
刺激 → 応答 → 周波数 → 位相 → 緩和 → 散逸 → フィードバック → 適応
という共通の表現へ写像できれば、AIは分野をまたいで研究者の仮説探索を支援できるかもしれない。
つまり、このメタモデルの目的は、
「自分が生命の究極の方程式を完成させる」ことではありません。
むしろ、
«「生命には、まだ見つかっていない共通数学があるかもしれない。ならば、一度探してみよう」»
という探索のモチベーションを、研究者やAIに渡すことです。
私は、この先を自分で全部研究しようとは思っていません。
もし、この考えを面白いと思う研究者がいたら、ぜひ研究してほしい。
もっと正確な式が見つかるなら、それでいい。
このモデルが間違っているなら、実験で壊してほしい。
もし一部だけでも本当に普遍的な構造が見つかるなら、それを残してほしい。
科学の歴史に残るのは、最初に「そんな式があるかもしれない」と考えた人だけではなく、検証を生き残った式です。
だから私は、完成した答えではなく、
「生命の共通数学を探すための地図」
を置いてみたいと思っています。必要なら次に、これをさらに**SNSで拡散されやすい「冒頭3行が強い短縮版」**にもできます。