徒然に基礎化学を復習してみた(化学基礎・分析化学・有機化学・染色・リチウムイオン電池)

徒然に基礎化学を復習してみた。


1、理工系学生のための化学基礎(学術図書出版社)
大学での基礎化学の復習
1-1、理想気体の状態方程式。
1-2、結晶の構造。金属、半導体、絶縁体。ガラス。液晶。
1-3、原子の構造。
1-4、化学結合。分極と有極性。イオンの大きさ。

1-5、分子構造の決定。NMR、ガスクロマトグラフィー、質量分析。

1-6、熱力学第一法則。エネルギー保存則の拡張。熱とエネルギーの等価性。定圧変化での系に
出入りする熱がエンタルピー変化。
1-7、熱力学第二法則。
エントロピーΛS=ΛH/T  
G=H-TS(Gはギブスの自由エネルギー、Sがエントロピー変化)
1-8、相平衡と相変化。液相ー液相平衡。等量混合時で低温時に2液相。高濃度かつ高温時は
1液相。
固相ー液相平衡。高温時液相から、冷却時に固液二相を経て固相固溶体になる。
1-9、化学平衡。Kが濃度平衡定数。K=[C][D]/[A][B]、ルシャトリエの原理。
1-10、電池と起電力。emf(起電力)、SHE(標準水素電極)、
起電力とギブスの自由エネルギー変化。
1-11、溶液の性質(1)蒸気圧降下、ラウールの法則。溶質の蒸気圧の溶質濃度依存性、
ヘンリーの法則。浸透圧。
1-12、溶液の性質(2)電解質溶液。イオンの移動度、ルイス酸、ルイス塩基。
1-13、化学反応速度。律速段階、もっとも遅い素反応。吸着等温式。
吸着、反応、物質移動、
2、分析化学(西本 右子著)
環境、食品にも応用できる化学分析手法。クロマトグラフィー、サンプリング、機器分析について。
2-1、分析化学の基本

2-2、基礎知識。
酸塩基反応、【酸・塩基の硬さ・軟らかさ、化学と教育 2008】
硬い酸は硬い塩基と親和性が高い。60度ではpH6.5が中性。
酸化還元反応、1Fは96485C。
錯形成反応、EDTA、エチレンジアミン4酢酸。
溶解度積、難溶性塩の溶解度を表す。

2-3、サンプリング、試料採取。
蒸留、エタノールは96%で共沸混合物。

2-4、機器を用いない分析、試験紙で0.2の精度でpHを測定できる。
金属イオンの系統分析。1Ag,2Cu,3Al,4Ni,5Ca,6Na。
炎色反応、LiあかNaきKむら。
薄層クロマトグラフィー、TLCプレートに滴下して溶媒で展開。

2-5、元素機器分析、光励起の原子吸光法。熱的励起のICP、
高温のプラズマ中に液体試料を霧化して導入した時の発光を分光器でスペクトルに分けて
強度から濃度を測定する。
ICP-MS、プラズマで生成したイオンを質量分析計に導入して質量数とイオンのカウント数を測定。
溶液化できればほとんどの微量元素の定性分析と迅速定量が行える。
EPMA、蛍光X線【試料にX線を照射して放出される特性X線】の波長と強度で定性、定量分析。

2-6、分子・官能基機器分析、
UV分光法、紫外可視光線を溶液中に通過するときの特有の波長の光が吸収。外殻電子と相互作用。
IR分光法、赤外線を照射して吸収波長から分子の定性と吸光度から定量。
ラマン分光法、レーザー光を照射すると散乱がされる。
レイリー散乱とラマン散乱があってラマンシフトが物質に固有。
顕微IR、顕微ラマンがある。AFMと組み合わせられる。

2-7、成分分離機器分析、
◆ガスクロマトグラフィー;移動相気体を固定相(ジメチルポリシロキサンやポリエチレングリコール)
の保持された細いカラム中を流して、固定相との相互作用の小さい順に成分分離を行う機器分析法。
ピークが検出される時間(保持時間)から定性分析。ピーク面積から定量分析を行う。
◆熱分解ガスクロマトグラフィー;高分子試料を500度で瞬時に熱分解して揮発成分を測定。
◆カラム内の担体には、
ポリジメチルシロキサン(極性低い)、
フェニル基置換シリコン系ポリマー、シアノプロピル基導入シリコン系ポリマー(極性をやや高めた)
ポリエチレングリコール(極性高い)
◆液体クロマトグラフィー、固定相を固体または液体、移動相を液体とするクロマトグラフィー。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
吸着;固定相がシリカゲル、アルミナ。
分配;シリカゲルの表面のシラノール基をオクタデシル化。


イオン交換;多孔質樹脂にスルホン酸や脂肪族アミン。
サイズ排除;三次元網目構造のシリカゲルやポリスチレン。
◆イオンクロマトグラフィー;移動相を溶離液として、固定相をイオン交換体。
液体クロマトグラフィーの一種。検出器は電気伝導度型。

2-8、構造解析、
◆TEM;100nm以下の厚さ。100kV以上の加速電圧。
◆SEM;導電性。数10kVの加速電圧。EDS(エネルギー分散型蛍光X線分析装置)を
組み込む。
◆SPM;STM(走査型トンネル顕微鏡)、AFM(走査型原子間力顕微鏡)、
MFM(磁気膜をコートした探針で磁気力を画像化)
◆TG(熱重量測定)
◆DTA(示差熱)温度差を測定する
◆DSC(示差走査熱量測定)熱容量および転移熱量
◆TG-DTA;試料の質量と温度、時間で連続的に測定する熱天秤。
◆質量分析、イオン質量と電荷との比と相対量。
◆電気分析、サイクリックボルタンメトリー。

2-9、複合分析
SEMとEDS

3、マクマリー生物有機化学 有機化学編 【菅原二三男】
理系、工学系、農学系、食品系、生命系の学習の助けになる化学と化学反応の教科書。

3-1アルカン
メタン、エタン、プロパン、ブタンは気体。
5から15のアルカンは液体。
16以上のアルカンは低融点のワックス状固体。
低極性で水に不溶。水の表面に浮く。低分子量のアルカンは揮発性で引火性。
ワセリン、パラフィン(高分子アルカンの混合物)は、肌を柔らかくすべすべにして保護する、
キャンドル作り、防水等で使われる。
燃焼;完全燃焼では二酸化炭素と水を発生、不完全燃焼では一酸化炭素と煤煙生成
ハロゲン化;加熱か光照射で置換が開始。

3-2アルケン、アルキン、芳香族
石油中のアルカンをクラッキングして大量の簡単な構造のアルケンを作っている。
エチレンはポリエチレンの原料として大量に生産される。果実の成熟を促進している。
灯油の不完全燃焼で流れ出たエチレンがオレンジを成熟させることから発見された。
アルケンの一部にはシス・トランス異性体がある。
βカロテンはビタミンAになり、
視覚細胞中の光感受性細胞でのシス・トランス異性化によって視覚認識される分子になるう。
多重結合は化学反応性を持つ。付加反応、脱離反応、置換反応、転移反応。
付加反応;水素化、パラジウム等の金属存在下でアルケンはアルカンになる。
付加反応;ハロゲン化、臭素の色が消えると二重結合の存在を示す。
付加反応;水和、アルケンと水でアルコールができる。
ビニル基が重合反応してアルケンポリマーが作られる。
芳香族はもともとは果実・樹木等の天然芳香性物質。ベンゼン環を持つ物質。
芳香族はアルケンよりも反応性に乏しい。通常は付加反応しない。
ベンズアルデヒドがサクランボの香り。
アニリンは衣料用染料でニトロベンゼンから作られる。

3-3酸素、硫黄、ハロゲン
イソプロピルアルコール;医薬品臭のある皮膚消毒剤。
エチレングリコール;水と混ざり合う。不凍液。毒性あり。
グリセロール;甘味。グリセリン。不凍液、湿潤材。プラスチック製造に利用。
アルコールを硫酸で脱水するとアルケンが生じる。
アルコールを酸化剤で酸化するとカルボニル化合物ができる。
第1級アルコール→アルデヒド→カルボン酸。(酸化される)

3-4アミン

3-5アルデヒド、ケトン

3-6カルボン酸と誘導体


4、藍染めを化学の視点から  牛田 智   武庫川女子大学生活環境学部 教授


◆ヨモギ
茎葉を用いる。緑色や褐色が得られる。
◆カキシブ
未熟な柿の果汁から作る。茶色の染料として用いる。
日に当てることで繊維の強度が増す。塗料として用いられることもあり、
一閑張りなどの和紙に塗布したり、清酒の清澄剤に利用されていた。
◆サクラ
花からは色付けができず、蕾が色づく直前に枝を煮出して染液をとる。

5、リチウムイオン電池が未来を拓く 発明者・吉野彰が語る開発秘話(シーエムシー出版)
物質特許、基本特許、関所特許。