早稲田の先輩たちの思想の根本的な部分を代弁してくれる痛快書。
人間国家組織の行動が理詰めではなく歴史的民族的幻想によって衝き動かされているという指摘は天才の啓示のように真実をついている。
現代のトランプ政権との距離感、カジノ法案、水災害と官邸の宴。どれも批判する側を白けて見る右傾化した若者たち。
上の世代の反戦と反省、若い右傾化の流れの間に位置する中年のオイラたちが読むと面白く読める。
左右のバランス感覚を取り戻す意味で大人が読むと楽しめると思う。
以下、引用。
戦争、薬害エイズ事件などで、官僚はなぜ国家や国民の利益に反する行動をしたのか、アメリカは何ゆえに日本への原爆投下を謝罪しないのか、どうして日本人はアジア人の中で英語がいちばん下手なのか…歴史的事件の背景にあるものを精神分析の手法で考察。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
岸田/秀
精神分析者、エッセイスト。和光大学名誉教授。1933年香川県生まれ。早稲田大学文学部心理学専修卒。『ものぐさ精神分析 正・続』のなかで、人間は本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」に従って行動しているにすぎない、とする唯幻論を展開、注目を浴びる。
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日本で一番国際化が進んでいるのは、東京。
田舎では想像できないぐらい、海外と同じようなアジア諸国と同じパッケージの国造りがされている。
日本の地域社会から、アメリカや中国からの入り口であり、日本全国から集金と世界への送金窓口。
日本を日本らしく残す、日本人が暮らしてきたままの暮らしやすさを残す思想は、
熱という世界規模の暴力によって
異常気候と海面上昇によって改善を余儀なくされる。
日本はどんどんせまく、住みづらくなっていく。
工業技術で食べていく工業国にも
農業国にも、貿易国にもなれずに、
海外からの観光客相手の観光国にしかなれないだろう。
日本人は英語や中国語ガイドになりたがり、外貨をありがたがって頂く地位だ。
日本での自給自足は否定されて、
海外の食料を買う。
そのためのお金は工場で自動車を作る肉体労働。
または観光客相手の接客業。
農業も漁業も廃れていく。
一億人はすべて貧しくなって、海外をうらやましく思いながらも
懸命に貧乏生活に耐え続けるだろう。
生活保護や老齢年金への余裕がなくなり、
奴隷的労働者と特級貧民のみの国。
アメリカとの交渉役は売国的であればあるほど
重用されて羽振りがいいだろう。
日本のため海外と闘う企業戦士は、過労死していく。
海外へ送金するための売国労働者だけは羽振りがいいだろう。
田舎でも国際化についていけない人々は社会不適合者として収容されるか、
ホームレスとして、保護されるだろう。
ホームレスが一年で一度だけ輝くカーニバルが盛んになる。
サッカーやスポーツで憂さ晴らしや、貧困への不満をそらして、
国威を保つ。
国産技術は、海外の規格や偽情報で盗まれたり、変更させられる。
国産PCが全てなくなってWindowsかMac一色になったのは政治的な敗北だった。
それと同じように日本の頭脳の技術も政治力の弱さで
日本の国力アップにつながらないだろう。
日本のトップ機密技術はアメリカ軍の機密の情報管理の前では丸裸。
日本の特許、著作権も日本の国策ではなく、世界からの要求通りに決まる。
田舎はすべてアジアと同じような植民地風な街づくりに作り替えられて、
海外からの高給な移民と積極的に混血していくだろう。
稼げない日本男子の遺伝子はどんどん淘汰されていく。