生物有機化学、自動車の化学、色素の化学を自習してみた

1、マクマリー生物有機化学 有機化学編 【菅原二三男】
理系、工学系、農学系、食品系、生命系の学習の助けになる化学と化学反応の教科書。


1-1アルカン
1-2アルケン、アルキン、芳香族
1-3酸素、硫黄、ハロゲン
イソプロピルアルコール;医薬品臭のある皮膚消毒剤。
エチレングリコール;水と混ざり合う。不凍液。毒性あり。
グリセロール;甘味。グリセリン。不凍液、湿潤材。プラスチック製造に利用。
アルコールを硫酸で脱水するとアルケンが生じる。
アルコールを酸化剤で酸化するとカルボニル化合物ができる。
第1級アルコール→アルデヒド→カルボン酸。(酸化される)


1-4アミン

1-5アルデヒド、ケトン
バニラエッセンス;バニリン、人工香料は廃材リグニン(木材パルプの副生物)から作られる。
天然バニラは、バニラビーンズの抽出物で400gに1gのバニリンが含まれる。
それ以外の香気成分もブレンドされて深い香りになる。


バニリン









リグニンの一例(リグニンはバニリンの天然高分子)
食品の香り
ブドウ;アントラニル酸メチル
チェリー;ベンズアルデヒド


バナナ;酢酸アミル(酢酸ペンチル、エステルの一種)


スペアミントの香り成分の「L-カルボン」
キャラウェイの香り成分の「D-カルボン」
ペパーミントの香り成分の「メントン」


葉の香り;cis3ヘキセノール(青葉アルコール)
1-6カルボン酸と誘導体


αヒドロキシ酸


AHAとは、アルファヒドロキシ酸(Alpha Hydroxy Acid)のイニシャルをとった略称で、
アハと呼ぶこともあります。

AHAには、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸があり、
化粧品としてよく使われるのは、グリコール酸や乳酸が多いです。

天然のAHAは、サトウキビやブドウの実や葉からグリコール酸が、
ハチミツや発酵乳からは乳酸が得られますし、ワインには酒石酸、
果物から得られたリンゴ酸やクエン酸はフルーツ酸と呼ばれることもあります。

グリコール酸や乳酸は化学合成からも得られます。

AHAには、隣り合った角質細胞の接着を弱めて、
皮膚表面の古い角質を除去することによって肌のターンオーバー(新陳代謝)を
円滑に促す効果があるため、大きく分けて以下の4つの効果が期待できます。

肌をなめらかにしてシワを目立たなくする
保湿効果を高め、乾燥肌を改善する
メラニン色素の排出を促して、色白肌を保つ
毛穴のふさがりを改善し、ニキビを防止する
角質を除去するピーリング効果がクローズアップされている。




グリコール酸(サトウキビ)
2、自動車の化学の本(井沢 省吾 著、日刊工業新聞社)
自動車の技術と歴史を化学的な側面から紹介。原理、原料、作り方、酒類、
利用法、新しい技術動向について解説。


2-1、燃料
2-2、潤滑油
2-3、エンジン
2-4、タイヤ
2-5、塗料
塗料は高分子樹脂、顔料、添加剤、溶剤の4成分。
◆高分子樹脂;熱硬化性樹脂、三次元網目構造、硬化剤添加、アクリル樹脂、メラニン、エポキシ、ポリエステル。
◆顔料;有機顔料(鮮明な着色あり、下地隠ぺい力劣る、分散性劣る)、
無機顔料(酸化チタン、モリブデン)、
フレーク顔料(鱗片状アルミニウム、着色マイカ、宝石のような深い透明感、輝く色)
◆添加剤;可塑剤、UV吸収剤、分散剤、界面活性剤。
◆溶剤;シンナー、水性溶剤、有機溶剤、
電着塗装;めっき原理の水性塗装、下塗り、
静電塗装;スプレー、中塗り以降、ポリエステル、メラニン、
メタリックカラー;2コート1ベイク、着色顔料とフレーク顔料、クリアコート
環境対策塗装;水性化、3ウェット方式(焼き付け回数の低減)


2-6、EV
2-7、燃料電池


2-8、プラスチック材料
◆プリプロピレン(PP)アイソタクチックPPは立体規則性を持つため、
結晶性が高く耐熱性、剛性、衝撃性などが優れる。
チーグラー・ナッタ触媒、三塩化チタンとトリエチルアルミニウム。




◆5大エンプラ
エーテル系;ポリアセタール、耐摩耗性、潤滑性
エーテル系;ポニフェニレンオキシド、寸法精度
エステル系;ポリブチレンテレフタラート、絶縁性
アミド系;ナイロン、機械的特性
カーボネイト系;ポリカーボネイト、透明で衝撃性が高い


◆炭素繊維、PANポリアクリロニトリル系を不活性雰囲気下で蒸し焼き。
◆FWフィラメント・ワインディング、巻き付け→樹脂を硬化→芯材を外す

3、週刊東洋経済 NAGOYA臨時増刊 動き出す世界の名古屋
◆赤崎 教授、きれいな結晶を作る、顕微鏡できれいな結晶も一部あることを見つけた。
天野 教授、セレンディピティ、棚から牡丹餅、棚の下にいるからこそ。


4、色素の化学 インジゴからフタロシアニンまで(西 久夫 著 共立出版)
4-1、染料、繊維に染着、分子状態の化学組成が主問題。
インジゴ、いったん還元して水溶性にして空気で酸化させて青色になる染料


4-2、顔料、溶媒に不溶、粒子状態、粒度制御、表面活性、分散が主問題。
銅フタロシアニン。印刷インク、プラスチック着色、自動車用塗料用途。
銅フタロシアニンは化学構造を変化させれば染料にもなる。


4-3、インジゴ工業的製法
ナフタリンまたは、o-キシレンからバナジウム酸化物触媒で無水フタル酸、
それにアンモニア水、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム処理で
アントラニル酸を得る。
アントラニル酸からインドキシル酸を合成して酸化剤によってインジゴを得る。




4-4、アリザリン工業的製法
アントラセンから発煙硫酸等を用いてアリザリンを合成。


アリザリンは多種の金属と広い色調の錯塩を形成。


4-5アゾ系色素
アゾ基を発色団とする一群の染料。助色団を含む芳香環のある有機分子。
ジアゾ化;アニリン等を塩酸酸性溶液で亜硝酸ナトリウム溶液を加えてジアゾニウム塩を生成。
アゾカップリング;芳香族ジアゾニウム塩が芳香族アミン等と反応してアゾ染料を得る。


4-6フタロシアニン類
ペイント塗料、印刷インク、プラスチックの着色、現液着色に用いる。顔料または染料。
無水フタル酸またはフタルイミドを尿素および金属、金属塩と加熱して得られる。触媒は
モリブデン、四塩化チタン。
新幹線の車体の青はフタロシアニンの色である。またCD-Rの記録媒体としても応用されている。
有機半導体材料として有機ELや有機電界効果トランジスタ等にも使用される。
光導電性を持つものは複写機やレーザープリンターの感光ドラム等に使用される。