金属電池のサイクル特性についての予測が報告されています。記事によると、放電特性をもとにサイクル特性を予測できるという結果が示されており、同じサイクル特性の実測値を異なる方法で予測し比較しているようです。
例えば、最もサイクル特性が大きい電池では200回のサイクルが達成されていますが、これは放電や緩和特性から予想された150回を大きく上回っています。これは充電が十分に行われていることが条件となっており、放電や緩和特性が劣化しても、充電が確実にできていれば予想以上のサイクル特性を発揮することがわかります。
つまり、放電特性が悪いとサイクル特性も悪くなりますが、充電が安定していれば予想以上のサイクル特性を保つことができるのです。
金属二次電池においては、アルミ箔電池などで見られる金属の劣化が似たメカニズムで発生すると考えられます。過度な放電は充電効率を下げ、金属電極を傷めてしまうため、次の放電サイクルから劣化が進みやすくなります。長寿命化のためには、充電量を把握し、放電を早めに止めてこまめに充電することが重要です。
サイクルを繰り返すうちに充電が十分に行えなくなり、過度な放電と相まって劣化が進行しているように見えます。
金属電池のサイクル特性の予想。記事では放電特性によってサイクル特性を予想可能だという成果が報告されている。
この記事にデータをみると、同じサイクル特性の実測値を異なるアプローチで予想して比較しているようだ。一番サイクル特性の大きいものが200回。これが放電や緩和特性から予想される数値より大きい。150回ぐらいしか示さないような予想なのに実測で200回を達成している。
充電がしっかりできていることがサイクル特性が予想通りになる条件だ。放電や緩和が悪くなるほうが先に現れても、充電がしっかりできていれば予想よりもよいサイクル特性になる。
つまり、放電が悪いと予想通りサイクル特性も悪い。逆に充電がいいと予想よりサイクル特性がいい。
金属二次電池は、アルミ箔電池の金属の劣化(ボロボロになる)の相似形だろう。放電しすぎると充電が悪くなって金属電極が痛み、次の放電から先が悪くなっていく。放電しすぎないことが大事になる。つまり充電量を把握して放電を早めに止めてこまめに充電したほうが長持ちするはず。
どうやらサイクルを繰り返すと充電がしっかりできない現象と放電しすぎてしまう現象が重なり、劣化しているように見える。
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240725-2992640/