遅ればせながら、デスティニー鎌倉物語を観てきました。
ALWAYS三丁目の監督が撮ったと聞いて、期待してました。
ヒロインの亜希子を演じる高畑とかいう女優が、
23歳の若妻の役だが、
ずいぶんと幼くて、
おバカに見える。
それに合わせて主役の作家の堺雅人も
ウッチャンナンチャンの内村にしか見えない。
全体にコント風なテイストで、笑えるような、
笑えないような不思議な作品だ。
黄泉の国という設定もジブリの影響を受けているのか、
ハリーポッターの世界観とも近いような、
どっかで見たことあるような映像が多くて、
斬新さがない。
その代わりに安心感はあるね。
ヒロインを奪い合う悪役も、
アニメ風の完全な悪役で、どこか憎めないとか、心惹かれるという要素が全くない。
単純な子どもっぽい悪役で、
ヒロインも迷いや逡巡がないね。
テレビっぽいというか、安い印象を受ける。
しかし、それはそれで、十分エンターテイメントとして、
楽しめる内容にはなっている
ばかばかしいと思いながらも、魔物や幽霊の設定に付き合っていると、
自然と、入り込める日常性の演出がある。
日常性と聖化という問いがあるらしいが、
スキャンダルとも関係している。
日常の生活で夫婦なら色恋もなんとも、日常性しかない。
仙人のような生活が日常となっているよりも
ちょっと色っぽい生活が日常化しているほうが、ずっと人間らしい。
聖人となっているのは、孤立や意固地や変人と近い。
私も、聖人生活を続けていて、いろっぽい事がない。
スキャンダルになるには、まず、夫婦になってしかも、それが聖人のように見えるという
人にしかスキャンダルは起こりえない。
スキャンダルや危ない恋もしてみたい。
その前に聖人生活を脱却したいが、
これは無理な相談。
作家の嫁になる亜希子という23歳の美人らしい女性を見ていると、
結婚っていいもんだろうなあ、妙な幻想を抱いてしまう。
家政婦がいるような作家だから
若い嫁が嫁いでこれた、とも考えられる。
作家とはいっても貧乏ではない。研究者の息子で、警察の顧問もしている。
不思議な設定だ。こどもっぽいと言えばこどもっぽいが、
どこか、夢のある大人のファンタジーとも言えなくもない。