化学本を読むと、クエン酸や重曹、グルコースなど食品添加物系の薬品が多く出てくる。一般に料理人という人は、添加物の知識はない。または否定的だ。
また、芸術、焼き物の釉薬やステンドグラスの色にも化学が関係している。絵の具を作る芸術家やステンドグラスの染め方を工夫する芸術家が身近にいない。釉薬に詳しい芸術家にも最近会ってない。
ハーブに詳しい人も、オイルや芳香水を作り方を究める人は少ない。たまに庭で取れたハーブを自分で蒸留している方に会うと効能よりも蒸留に興味が湧く。料理も芸術もハーブも、作るという発想がなくなっていき、買ってくるものになっていく。服だって、糸から作っていた昔に比べて、織らなくなり、縫わなくなり、買うだけになっていく。豊かになると忘れていくものが増える。