サピエンス全史

サピエンス全史を全速力で読んだ。サピエンスとネアンデルタール人やその他の旧人との交配が証明されつつあって、それが人種ごとに違うという説明。白人とアジア人は祖先の一部が違う説ね。納得しやすいけど、倫理的な問題も大きいね。ネアンデルタール人を現代にDNA技術で復活させるとか、ネアンデルタール人の人権とか、想像を遙かに超えてる。

資本家は投資せよ、消費者は買え、という戒律の現代宗教説。これもなるほどと思う。過去の慎み深く生きる宗教とは真逆だけど、とりあえず現代はうまく回ってそこそこ安全も快感も得ている。

結婚=幸せ説を否定する説明として結婚に向いてる人が結婚してるだけで、結婚に向かない人が無理に結婚しても幸福度は上がらない。ただ、社会が結婚を奨励してるので非婚は不利という説ね。これも納得しやすい。

個人主義教育は他人にからかわれたら無視しなさいと教える。過去の教育では他人からの評価こそ人間の価値だった。日本の恥の文化だけでなく西洋にも貴族の世間体文化はあった。

最古の憲法の一つ、目には目を、は決して平等主義ではない。目、骨、命に階級差や男女差が歴然とあって、その文化を肯定してる。それでも強者が弱者をなぶり殺すのを防ぐのに役立った説明。進化前の超古代の人間を殺し合いの野蛮人と見るか、ライオンや飢餓に怯えながらも助け合った会話人と見るかだね。

人間の文化圏コミュニティは150人が閾値説。ボス猿がハグして回れる数と一致。数万人から億の人数を束ねるには共同の幻想が必要。その幻想を資本主義経済が後押ししてる。

科学は武器や製品と結びついて大きく発展した。現代科学には本質的に売れるかどうかと一体化してる。それを超える科学、遺伝子操作して進化させる超人類は倫理的に止まる。

以上が超速読での印象。
文化や教育の壁は超えられないし、下手に超えると異端者になるね。この本はスケール感がスゴイ。部分的にはもっと良い説明がある本もあるけど、現代文化を過去の歴史から網羅的に分析した巨視的な書き方で面白いね。読了したと自慢しよう