中学理科を学ぶ意義や学び方について
【中学校で理科を学ぶ】
中学校で理科を学びます。のちに理数系に進む学生もいれば、理数系はまるでダメと苦手意識をもってしまう学生もいますよね。なぜ、理科を中学で学ぶのでしょうか?理科のスペシャリストとして、理科を学ぶ意義や学び方、成績アップのノウハウを書いていきます。
【自己紹介】
私は大学院まで理科を学び、工業の分野で理科を活かして仕事をしてきました。製造現場や開発部門、研究所勤務といった仕事を経験しました。現在は、専門学校で工業系の国家資格の試験対策のための講義をしています。
【大学の理科】
中学生が学ぶ理科と大学で専攻する理科とは、学ぶ意義はまったく違います。いろんな学部、専攻がある大学で、わざわざ理科を選んだ学生は、理科が好きで得意科目を究めるために来ている学生です。
【中学校の理科】
それに対して中学校は義務教育で理科は全員が受ける必須科目です。大人になって振り返ると、理科で習ったことを思い出す人はさまざまな気持ちを持つでしょう。楽しかった、難しかった、嫌いだった、暗記ばかりだったという感想でしょうか。
【理科は暗記科目?】
特に中学の理科は暗記科目という印象が強いように思います。苦労して暗記した元素記号も細胞の仕組みも岩石の名前も電磁誘導の法則も忘れてしまって困ることなく生活している人がほとんどでしょう。
【理科はなんの役に立つ?】
理科は、工業技術や防災技術に繋がる知識が多いので、一部の人は理科を活かして仕事にしているでしょう。そうした理科技術者になりたい学生を見つけるために全員に理科を学ばせている側面もあります。しかし、世の中の仕事の大半は、理科技術者とは関係ない仕事です。
【素朴な疑問】
子どもが純粋に不思議に思うことに対してちゃんとした答えを教えるという意味があります。ラジオで小さな子どもが「空はなんで青いの?」と質問するような番組があります。ああいう素朴な疑問に対して、親がちゃんをと答えられないので、学校で科学的な答えを教えるのです。
【商品を選ぶ知識】
理科は、工業製品と近い学問です。新しい4Kテレビ、通信技術の5G、人工知能AIといった高度な技術から、普段の洗剤や石鹸、ガソリンやエンジンオイル、健康サプリや湿布薬などの商品を選んで買います。さまざまな宣伝文句が溢れて、CMや口コミや店頭やネットでの評判を基に購入すると思います。その時の専門用語やセールストークを、全て真に受けていいのかと考える知識の基礎が理科です。
【安全のため】
天気予報について学ぶのも理科の授業です。「950ヘクトパスカルの台風」と聞いて、「気圧が低いから台風の被害が大きくなるかもしれない」と分かるための基礎知識です。ガソリンスタンドは火気厳禁といった基礎知識も理科と関係します。
【理科の成績アップ】
ここまで、理科の意義を考えてきましたが、とにかく理科の成績を上げたいという人が多いでしょう。理科の成績アップにつながるノウハウを紹介します。
1)実体験を活かす
夏に入道雲をみると上へ上へ伸びていることが分かります。上昇気流によって雲が出来るんだなと学校で学ぶ内容と一致します。雷が鳴るときには、稲光がピカっと光ってから少し遅れてゴロゴロと雷鳴が聞こえます。遅れる時間を数えると3秒ぐらいだと、稲光の雷雲は1キロほど近くの雲だと分かります。音や光の速さにも思いが行きます。こうした実体験と理科を結び付けて学習していきます。
2)暗記のコツ
名前を覚えるタイプの暗記は、対象に興味があればいくらでも覚えられます。自動車が好きな子どもは自動車の名前をすぐに覚えます。ポケモンの名前を覚えるのが得意な人もいるでしょう。同じように、理科に普段から興味を持って身の回りを見ていれば名前を覚えやすいのです。
3)図鑑を読む
理科図鑑は理科に登場する現象や物質などを写真付きで紹介してくれる。身の回りのありふれた植物も、図鑑で改めて名前や特徴を知れば関心がわきます。周りの植物でも都会では、自然に触れる機会が減っているので、図鑑や学習漫画で補うことで関心を高めることができます。
4)伝記を読む
アインシュタイン博士が舌を出してアッカンベーをしている写真を見た人は多いでしょう。その博士が論文を発表したのは20世紀の最初期です。第二次世界大戦の前です。博士の相対性理論は核反応が核爆弾に応用できることを示し、1945年の原爆投下に繋がりました。100年前というとずいぶん昔のことです。昔の人は今より技術も教育も低くて素朴な自然の中で長閑な生活をしていたイメージがあるのに、現代の大人でも説明できない高度な理論や科学を発展させました。このギャップを利用すると、興味を持って理科に取り組む学生もいます。
5)学生が学校で習った理科の知識を、自慢して話したくなるような話題にすることも大事な点です。「ねえねえ、知ってる?」と思わず話したくなる知識や話題を提供することで、学生が他人に教えることが期待できます。他人に教えることで、記憶が定着するのは定番ですよね。
6)最後に挙げるのは「理科好きな気持ち続けること」です。いろいろな知識を暗記する力は、資格試験を受ける時には必ず必要になります。暗記の力自体は若いときの方が強いです。大人になって好きで受ける資格試験の勉強の時に中学校の暗記のテクニックが活きます。嫌いなモノ、興味のないモノを暗記するのは難しく苦痛です。子どもでも大人でも嫌いなモノは暗記できません。好きになることが一番の近道なのです。
以上、理科を学ぶ意義や学び方について書いてきました。