北大の微生物電気化学を使う人工光合成

ユニーク。紫外線を微生物のついた電極に紫外線を当てると二酸化炭素から酢酸を作り、かつ電流も得られる。

北海道大学、北大が亜鉛と銅の電極と酢酸を作る微生物と紫外線を組み合わせた人工光合成を発表。

バイオと光触媒と電気化学の組み合わせ。複雑な仕組みなので研究室レベルはできても実用的な大きさにスケールアップができるのかが不安要素だ。電流値も3倍になってもまだ小さいがユニークな発想は今後に期待できる。

針状の銅電極の表面を亜鉛微粒子で被覆した表面積の大きな電極が特徴のようだ。

二酸化炭素から酢酸が作られる仕組みはどのようなものだろうか。単純に二酸化炭素を還元しただけでは微生物はエネルギーは得られない。

大きなスケールで再現実験するなら針状銅を表面積の大きな構造体に銅めっきをして付け、さらに酸化亜鉛微粒子を付ける。紫外線はランプまたは太陽光で試す。

人工光合成では太陽光を受けやすい電極が必要とされている。透明度の低い廃水光合成を行う際には、特に有効な表面積を確保する課題がある。廃液内で太陽光発電をするようだ。

ほとんどの微生物は有機物を酸化してエネルギーを得る。例外的に有機物を還元する微生物がいる。単独では生きられない微生物で周りの微生物と共存しながら生きる。

亜鉛と銅の電極は紫外線を受けて水を酸化還元して水素と酸素に分解できるのだろうか?チタンには本多-藤嶋効果で水を酸化還元分解する力がある。亜鉛と銅電極に紫外線を当てた場合にも水から水素と酸素を作れる可能性があるのかもしれない。

この本多-藤嶋効果と赤色色素を使い電流が得られる色素増感太陽光発電は知られている。

北大の発表で、酢酸が作られ電流も得られるユニークな電極はメカニズムに謎が多い。続報を待ちたい。