大企業病の組織や経営陣よりも中堅以上の社員ほうが保守的すぎると

大企業病という言い方がある。動きが鈍い組織を指す。事務員も保守的で昭和的なパソコン事務を引きずっている。

事務作業を自動化できないか考えた人は多いだろう。
そもそも仕事には反復の作業が多い。

私は、かつて事務職として、育児休暇や介護休暇を取る社員さんからの相談を受ける仕事をしていた。必要な申請様式や取り寄せる書類リストを、相談者にメールや郵便で送っていた。申請書類を受け取ったらチェックして、上司や管理者の承認をもらってシステムに入力して、申請したご本人には、休みに入る前後の情報を再度フォローする仕事だった。

基本的には法律通りの休暇なので、似たような相談を受けて似たような様式や書類のやり取りをしてる。

ただ、社内が複雑な人事組織だったので、相談者の直属上司や決裁する管理者の役職や名前の確認をいちいちしていた。
本来はハローワーク経由で休暇中の給料代わりの補助金を受け取る事だけが社外事務なので、ソコさえきちんとやっておけば良いはずだ。社内の人間の休みならどうにでも融通がきく。

それよりも出産や育児そのもののフォローや介護対象のご家族の健康面のサポートに力を入れて社員の仕事以外の生活をサポートする仕事のはずだ。仕事のやる気や愛社精神を高めて、働き方改革をして、子育てや在宅介護を支援して国の政策にも沿った仕事だ。

私は担当していたその仕事の、事務作業の部分にすぐにつまずいた。上司の名前を人事データベースから拾って、社員名簿から必要な様式に入れ込む仕組みを作った。しかしちっともうまく動かない。名簿が古かったり、部署ごとに上司のルールが違ったりしたからだ。
それ以外に、単にデータベースから拾った名前を貼り付けるだけだと、部署名が長いと見栄えがくずれたり、改行が変なところに入ってしまう。基本的に紙ベースなのでワードとエクセルだけで立ち向かうのだ。オフィスを操る力が足りないのも理由の一つだ。

世の中はネット経由でウェブ上で申請を入力して、上司や管理者もウェブで承認しているのが普通のITの使い方だろう。その会社は紙と印鑑の文化だったので、ウェブ上のシステムは紙のハンコを確認して私のような事務員が入力していた。


結局自動化もできず、毎日書類を印刷しては直されてばかりいた。数カ月で頭でっかちで、実力がない典型的なダメ社員扱いされていた。

IT技術で出来ることのを知っていることが、逆に目の前の仕事への集中力を妨げていると思われていた。

大企業は個性のある人を使いこなす懐が深い会社よりも、部品になりにくい規格外の人間をハジク冷酷さを感じた。