強誘電体メモリに関する記事。1990年代に私も関わっていた。
https://eetimes.jp/ee/articles/1907/24/news023.html
サイズ効果によってメモリを小さく大容量にする微細化が出来ないというのは当時から気づいていた。サイズ効果とは結晶粒のサイズが大きくないと性能が出ないという効果だ。
結晶の顕微鏡写真とセラミック結晶を焼いた温度を性能と見比べて検討してい
た。結晶を小さく出来ないのでギガ級メモリを作れないのは明らかだった。
2000年代にハフニウム薄膜でサイズ効果の問題は突破できるかと思われた。が現在でも実用化されていない。強誘電体メモリはずいぶん下火になった印象だ。
磁性、歪、グラフェン材料などのメモリ技術のほうが現状では先行している。
一方、メモリも大きくなっていないし、不揮発性の大容量化についても進んでいない。不揮発性とは電力を切っても記録が残るタイプのメモリのことだ。
ウィンドウズOSはメモリが大きくならなくても進化してきた。動画や通信技術の進化によってメモリを大きくしなくても一般的なユーザーには十分なサービスが提供できている。
一般的なメモリと違って独自用途や特殊な性能もある。
強誘電性は低消費電力や高速書き換えの面で有利だろう。また宇宙空間や放射線環境下での用途としてもポテンシャルがある。
さて、今後どうやって実現されるか楽しみです。