グラフェン(カーボンの単層シート)を利用した新規触媒層の設計
2009年の12月にブログに書いている。
https://blog.goo.ne.jp/aichi-happy/e/06663d6006417b62c05e4aedd787d39a
その図は手描きの図が以下の六枚。
この時は、グラフェンをメインにしていたが、
銅のドット型触媒として、
電機化学的な触媒の力が極めて高いことが、数年後に発見されている。
二酸化炭素CO2をエタノールに変える触媒だ。オークリッジ米国立研究所の発表だ。
https://wired.jp/2016/10/20/carbon-dioxide-ethanol-reaction/
こうした電気化学と有機物質、エタノール、二酸化炭素CO2、メタノール、メタンなどを中心とした触媒開発は、バイオマス発電、二酸化炭素の固定化、光合成型触媒として
エネルギー問題解決にむけて非常に重要だ。
その発想を2009年に、個人でしてアイデア図を公開していたことが、
驚きだ。日付入りのアイデア図をブログに公開するのは、
自分でもかなり気に入ったアイデアだったからだ。
今後もこの電気化学と触媒をバイオマスと組み合わせたエネルギー発電型の技術は
たいへん注目している。
以下は、2009年のブログのコピーだ。
グラフェンとは原子レベルでのカーボン単層で
シートとして得るには
シートを溶液に溶かして基板上に配列させて
重なりあった部分を超音波で削って、一面に敷き詰める方法が
知られている。
さらにカーボンを表面に含む溶液と対極を5ミリ程度まで近づけて
30から50Vの高電圧交流印加法によっても
グラフェンを形成できることが示されている。
一方、カーボンを含むガスを
高温のチャンバー中で、
化学気相堆積法(CVD)で
銅や鉄などの金属表面に触媒的に形成する方法も提案されている。
私は、銅をナノドットめっきで形成して、
その銅ドットの表面に選択的にグラフェンを堆積させるCVD法を提案する。
また、得られたグラフェンにアルカリ金属または、アルカリ土類金属をドープすることで
その後で、ドープした金属を選択的に置換めっきする貴金属めっきを施すことで
原子レベルで貴金属使用量を削減し、またグラフェンとの相乗効果をもつことが期待される
触媒の形成法を提案する。
また、形成された貴金属修飾グラフェン修飾銅ドット触媒に
電子、またはイオン輸送層として電気伝導性高分子を
電気析出法またはスピンコート法で形成することを提案する。
以上の形成法による触媒は、
たとえば、燃料電池などの貴金属を使用することが不可避な有力な化学反応においても
貴金属量を大幅に低減させることができ、価格面でのメリットが得られる。
また、グラフェンと金属の相乗作用によって新しい触媒を創出することにも利用できる。
グラフェンの活性点は面状に広がるものではなく、
端部が点状に活性を持っていると予想している。
そのため、触媒として応用する場合には、
端部をより多く形成させる銅ドット上の修飾グラフェンを利用するメリットが大きい。
銅ドットめっきはリソグラフィーとレジストを組み合わせる通常の半導体プロセスを利用し、
硫酸銅めっき浴などを用いることで形成できる。
グラフェンにドープする金属(イオン化傾向の小さな金属)は
CVDのガス中に含有させることでドープ量の制御を行う。