「白い一日」で小椋佳さん、井上陽水さんが歌いたかったことは?

真っ白な陶磁器を眺めて
(中略)
君の周りで今日も一日が過ぎていく


小椋佳さんの詩で井上陽水さんのメロディ。アルバム氷の世界の中の一曲だ。

真っ白と表現した君とはどんな人か?私には現実の人物とは思えない。真っ白なノートを暗示しているように思える。

勉強しなくちゃいけないのに、ただ真っ白いノートを前にボンヤリ不安を感じる。
歌の仕事をしたいのに、ただ真っ白なスケジュール帳を前に不安を感じている。

そんなイメージだ。真っ白なノート、スケジュールもこれから新しく書き込める楽しみな側面がある。が、この詩には不安や強迫観念的に埋めていくノートやスケジュールを前にして醒めた表情の小椋佳さんたちの想いが見える。
そんなに詰め込んでどうするの?っていうアンチな気持ちだ。

リア充対負け犬っていう表現もずいぶん聞いてきた。たしかに貧しいと仕事を詰め込まざるを得ない。また家族サービスや育児も待ってはくれない。

そんな勝ち負けよりも余白や余裕を楽しむ心が必要だ。周りで眺めて触れもせず今日も一日が過ぎていく。それも普通の人生の過ごし方の一つ、それも世の中の渡り方だ。